picture

妖精たち - ルミナとルビナ


物語は、「バラの巣」と呼ばれる美しい森から始まる。そこでは、様々な種類のバラが一緒に育ち、咲き誇っていた。

赤、青、黄色など、美しい色合いのバラが満開に咲いてした。

ある夜、静かに現れた美しい青いバラの妖精が、哀愁漂う優雅さで踊り始めた。

彼の姿は静かな月明かりに溶け込み、夜の静けさを乱すことなく、柔らかな光を放っていた。

その後、かわいらしい赤いバラの妖精が現れた。

二人はお互いに引き寄せられるように視線を交わし、その心は繋がった。

青いバラの妖精はルミナ、赤いバラの妖精はルビナという名前であった。

バラはそのすべての花びらが散るとき、命を終える運命にある。

月明かりの下で、花びらが風に揺れながら二人は踊り始めた。限られた時間の中で、愛と喜びに満ちた瞬間を刻みながら。

ある日、彼は彼女を丘の上に連れて行った。

そこからは、美しい街の灯りが見えた。

きっと、その一つ一つの灯りが家を象徴し、恋人たちが幸せに過ごしている場所を示しているのだろう。

赤、青、黄色、無数の色とりどりの灯りが広がり、その街の風景はまるで銀河のように息を呑む美しさであった。

時間が経つにつれ、二人は永遠に一緒にいることを夢見始めた。

しかし、彼らの幸せは長く続かなかった。

突然、彼の母親であるトラディツィオーネが現れて二人を引き離そうとしたのだった。

「異なる色のバラが一緒に幸せになることはなく、愛は存在しない。」と冷たく言い放った。

父親であるレゴラも同じ考えであった。

彼らは、どんなに同じ花が同じところで生きていても、愛の存在を信じることはなかったのだ。

その言葉は二人の心を引き裂いた。

悲しみに沈む中、人間の戦争から生まれた火が大地を包み込んで広がり始めた。

激しく燃え盛る炎は木々を飲み込み、憎しみに満ちた熱は自然そのものを侵食し始めた。

「どうして、人間の命も我々と同じく永遠でないのに、人々は一緒に幸せに生きることを選ばないのでしょうか?

彼らは、違う国に住む誰かを傷つけなければ幸せになれないと思っているのでしょうか?

それは、愛を選ばないことと同じではないのでしょうか?」

ルミナが呟いた言葉には、深い悲しみと共に、世界の人々に対する強い問いかけが込められていた。

その瞬間、ルミナは火がルビナの住んでいる場所に迫っているのを見た。

「危ない!行かないで!」とトラディツィオーネは叫んだ。

しかし、ルミナは迷わず手を振り、彼女のもとへ駆け寄った。

「これが彼女と過ごせる唯一の時だ。私は他の誰も愛することはない。

彼女が去るなら、私は一緒に行く。愛の世界に入り、彼女と共に生きる。私は愛を選ぶ。」

彼は燃えさかる森を駆け抜け、ルビナが木の下で震えているのを見つけたのだった。

ルビナは優しい女の子で、そんな瞬間にも無垢な生き物、ちいさな蝶を守ろうとしていたのだった。

炎がルビナを包み込もうとしたそのとき、ルミナは駆け寄って自分の体で彼女を守ったのだった。

落ちる燃える木々の中、涙を流すルビナは尋ねた。「どうして…?あなたは助かることができたのに。」

ルミナは優しく微笑みながら彼女を抱きしめ、静かに言った。

「たとえすべての花びらが散っても、私の愛は決して色褪せない。私は勇気を持って愛を選ぶよ。」

ルビナも涙を流しながら答えた。

「あなたに出会えて本当に良かった。私も愛を選びます。愛しています。」

「私も君を愛しているよ。」彼は答えた。

その瞬間、彼らは強く抱きしめ合い、キスを交わした後、炎に包まれ、一緒に燃え尽きていった。

---

しばらくして、戦争が終わり、土地が平穏を取り戻した時、彼らが燃え尽きた灰の中に、赤と青の花びらが交互に並んだ美しく神秘的なバラが現れた。

そのバラは、ただ愛を選び、誇りを持って立っているかのようだった。

そして、そのバラを守るかのように一対の蝶が舞っていた。

人々は、これが赤いバラと青いバラが初めて一緒に咲いた瞬間だと噂した。

そのバラの一枚一枚の花びらは、色を変えながら揺れ、その美しさはそれを見たすべての人々の心に触れた。

それは優しい光を放ち、憎しみに傷つけられた土地を癒す力を持っていた。

やがて、そのバラが立っていた場所はアガペと名付けられ、愛の象徴として知られるようになり、訪れたカップルはその前で愛を誓った。

ある冬の日、雪が降る中、一人の少女がその場所を訪れた。

赤と青の交互に並んだ花びらを持つその神秘的なバラは、まるで愛をささやくかのようだった。

おそらくその少女も、愛と別れの間で決断を迫られているのだろう。

彼女は静かに、決意を込めてささやいた。

「私は決めました。

愛を選びます。」

そのバラは、まるで彼女の言葉を聞いて微笑んでいるかのように、優しく揺れた。

おわり





ラヴ・チルドレン・アンド・アニマルズ・オーバー・ボーダーズのために、ランセランセによって書かれました。

この物語を通して、もしあなたが愛を選び、誰かに親切を分け合うなら、それは新たな希望の光となります。

私は、あなたの小さな愛の行動が、少しずつ世界を変えていくと信じています。





ぜひ、ラブチャレンジにご参加ください。

ラブ・チャレンジ



Written by RanseRanse for Love Children and Animals Over Borders

You may add here if you have the Facebook account as well.

-- Other stories --

Little Rose Garden Rosa & Misa

This is the love story for couples all over the world.

谷の妖精たち- 絵本

The story of a butterfly and a rose.