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湖の月は何を思うか



イントロダクション

この物語は、人々が立ち入ることを許されていた、ある美しい森から始まります。

その森は、中央に位置する美しい湖と、色とりどりの花や木々で知られており、訪れた人々に安らぎをもたらしていました。


1

マーシャ、アリョーシャ、カチャは良いお友達でした。

彼らは、夕方、一緒に歩いていたとき、この森で、何かが光っていたのを見たのでした。

「あれは何だろう?」

アリョーシャは驚いて尋ねました。

「行ってみよう。」

カチャはいいました。

マーシャは頷きました。

子供たちは光の指す方に向かって歩き始めました。



2

驚くことに、森の湖には月が浮かんでいたのでした。

「月だ!」

カチャは叫びました。

「なぜあなたはここにいるの?」

アリョーシャは尋ねました。



「私は最近よく眠れず、とうとう地上に落ちてしまいました。

私は仕事のために深夜までに空に戻らなければなりません。

しかし、私は疲れ果てていて、飛ぶことができないのです。」

月は答えました。



「とても変な話。

でも、わかった。

あなたを手伝ってあげるね。」

カチャは言いました。


3

子供たちは、月が飛べるようにあちこちに色とりどりの風船をつけました。

青、赤、黄、紫など。

風船をひとつ、くくりつけるごとに、月はより軽く、気持ちも明るくなっていきました。


4

「随分軽くなったわ。

どうもありがとう。

空の仕事に戻る前に、皆にお返ししてあげたいです。

私に何ができますか?」

月は尋ねました。

子供たちは、一生懸命考えていいました。

「病気で外に出られない友達がいるの。

せめて、一目みて、「元気?」って聞いて、そして、どれだけ私たちにとって大事なのか伝えられたら。」


5

月は明るい口調でいいました。

「それなら、いい考えがあります。

お友達にお手紙を書いたらどう。

お手紙には、きれいな色のお花だって入れることができるし。



青、赤、黄、紫など。

これらはすべてとても美しい色です。

手紙を書き終えたら私に教えて。

私はみんなを近くに連れて行くので、お手紙を窓越しにお友達に渡してください。」

「本当に?連れて行ってくれるの?」

子供たちは興奮して尋ねました。

「もちろん。」

月は喜んで答えました。

「ありがとう。」

子供たちはペンを取りました。



「みんな書き終えたよ。」

10分後、彼らは嬉しそうな声でいいました。

カチャは赤い花、アリョーシャは青い花、マーシャは紫の花を選んで、手紙に入れました。

「じゃあ、私に乗って。」

月が答えました。



子供たちが月に乗ると、月は空めがけて飛び出しました。

「なんて綺麗!鳥みたい!」

地上では、さまざまな色の街灯が見られました。

青、赤、黄、紫など。

これらはすべて、とても美しいものでした。

月と子供たちは、鳥のように空を飛び、森、川、海を越えて他の国へ旅立っていったのでした。

子供たちにとって、素晴らしい旅行でした。


6

最初の番はカチャでした。

彼女のお友達は別の国に住んでいました。

彼女は月明かりに照らされながら、手紙を窓の前に置き、お友達に言いました。

「あのね?どんなに簡単に会えなくても、私はいつもあなたを愛しています。」

「まさか、また会えるとは思わなかった。

ありがとう。」

お友達は感激して答えました。

二番目はアリョーシャでした。

彼の友人は海辺に住んでいました。

彼は月明かりに照らされながら、彼の手紙を友人に手渡し、同じ事をいいました。

「あのね?どんなに簡単に会えなくても、私はいつもあなたを愛しています。」

「私も、いつだってあなたのことを想っている。

ありがとう。」

お友達は感激して答えました。

最後の番はマーシャでした。

しかし、彼女は悲しそうな顔をして、言いました。

「お母さんに手紙を書いたけど、渡すことはできない。」

マーシャは病気で母親を亡くしていました。

その上、他の人とは、とても違うピンクの髪の色のために、彼女はクラスメートにひどく扱われていました。

彼女はいつも一緒にいたお母さんをとても恋しく思っていました。



月はいいました。

「よし、任せて。」

マーシャはそれを聞いて混乱しましたが、うなずいて 手紙を月に渡しました。

「ありがとう。」

マーシャは言いました。



月が空に戻る時がやってきました。





子供たちは、月が大好きになってしまい、月が空に帰ってしまうのが、とても寂しくなってきました。

「あなたの世界について教えて。」

マーシャは月を抱きしめながらいいました。

月は微笑んでうなずきました。

子供たちは地面に座り、静かに耳を傾けました。

「私の世界は”宇宙”と呼ばれているの。そこには、色とりどりの星星があるの。

青、赤、黄、紫など。

これらはすべてとても美しいのよ。

そして、星星はみんな、それぞれ違っていて、遠く離れて住んでいるけど、友達なのよ。」

「では、あなたの仕事は何?」

子供たちは尋ねました。

「私の仕事は、人種や国の隔たりなく、地球上のすべての人に光を与えること。

私を空でよく見かけるでしょう?」

月が答えて空を見ました。



「地球では、肌の色で人々を区別するような人もいるかもしれない。



でもね、みんなが、私が空に帰るために、色とりどりの風船を体にとり付けてくれたり、あるいは、お友達にあなたたちがどれだけ相手のことを想っているか伝えるために、手紙を書いて、それぞれが、美しい花を選んだように、愛には、色の違いはないの。



今夜、気づいたかもしれないけど、地球上にも様々な色があるの。青、赤、黄、紫など。

これらはすべてとても美しいわ。



もう、行かなきゃ。

会えて良かった。

どんなに簡単に会えなくても、私はいつもあなたたちを愛しています。」

月は優雅にも、たくさんの光をはねかけて空に戻りました。

子供たちは月が星たちの間で完全に混じり合うまでずっと見続けたのでした。

「ありがとう。」

子供たちは言いました。

「マーシャ、私たちはみんな一人ぼっちで、そして、違ってるけど、私達は、みんな友達だからね。

あと、あなたの毛の色がとっても大好き。」

カチャは言いました。

「ありがとう。」

マーシャは微笑んで、幸せそうにいいました。

エピローグ



その夜、マーシャは素晴らしい夢を見ました。

お母さんが夢に現れて、マーシャをしっかりと抱きしめながら話したのでした。

「美しい手紙をありがとう。」

「ママ!

あのね?友達ができたの。

彼らはみんな私に優しいの。

来週末、みんなで、森で花をスケッチする予定なの。」

マーシャはいいました。

マーシャのお母さんは大きな笑みを浮かべていいました。

「どんなに簡単に会えなくても、私はいつもあなたを愛しています。」

「私も。」

マーシャは彼女の腕の中で答えました。

まもなく、マーシャは目を覚まして、夜空を見上げました。

まるで、マーシャの母親が彼女にささやいているかのように、月と星星が神々しく輝いていました。







おしまい

Written & read by RanseRanse for Love Children Animals Over Borders


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