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リトルローズガーデン
ロザ アンド ミサ





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リトルローズガーデン
ロザ アンド ミサ


愛を信じる人々のために書かれたお話です。

著者 RanseRanse





Index

はじまり
1 ダリア
2 天の川
3 憂鬱
4 忘れられない愛
5 飛び出した薔薇
6 再開
7 紛争の終わり
8 エピローグ








はじまり


終わることのない紛争や愛を忘れた人々の行動に、ほとほと疲れた動物たちは、人間社会を抜け出し、 自分たちの王国を打ち建てました。

しかしながら、人間社会で帯びた毒気は完全には取り払われていなかったのでした。




その王国には、フローレンスといわれる、小さな、そして、美しい街がありました。


その名の通り、その街は、花々が咲き乱れており、さらに、街の中央には、 ”ロザ アンド ミサ ”と呼ばれる薔薇園があったのでした。


入口のプレートによるとこの公園は、困難を乗り越えてやっと一緒になることができたカップルにより、建設されたという事でした。

人々は、きちんとルールを守る限り、様々な花を植えていいという事になっていました。

しかし、この薔薇は、このロマンチックなエピソードにより、カップルたちにとって最も重要な場所として存在していました。

カップルたちは、薔薇とその苗を持ち告白し、そして、その愛がずっと長く続くように、その庭園に植えたのでした。

そのような習慣から、たくさんのカップルが生まれてきました。


人々は、その薔薇園を、愛の起源、あるいは、神殿とよび、称賛しました。

しかしながら、王女と国王によりもたらされた小さな問題が災いして、街は二分されてしまったのでした。

紫の花びら、桃色の葉、というように。

更には、お互いが行き来できないように、大きな門さえ、庭園の前に建てられてしまったのでした。





間もなくして、公園も破壊されてしまいました。

恋人たちは別れを余儀なくされ、そしてその庭園には戻ってくることはありませんでした。

庭園は恋人たちにとっての意味をなくしてしまったのです。



誰が、別れの後に愛を求めるのでしょう?







1 Daria



それは静かな夜でした。

ある一人の美しい女の子は、窓越しに、海波をみていました。とても悲しそうに。

"会いたい。"

ため息をついて言いました。

彼女の名前はダリアといい、お友達のリリーと島に遊びに来ていたのでした。

天候はよかったのだが、彼女の心は晴れていませんでした。

ダリアは、同じ街に住む、アリッサムという男の子に恋をしていました。

街が二分されて、もう、会うことができなかったのでした。

ダリアは、”紫の花びら”地区にいたので、アリッサムは”桃色の葉”地区にいたのでしょう。

それからというもの、ダリアはまともにに寝ることも食べることもできないありさまでした。

いつも思い出すのは、アリッサムの最後の微笑みでした。

穏やかな六月のある日、アリッサムは美しい薔薇を手に、薔薇園に現れたのでした。

そして、薔薇を恥ずかしそうにダリアに差し出したのでした。

ダリアが経験した中で、最も幸せな時でした。

ダリアは、その薔薇を受け取り、苗を薔薇園に植えたのでした。

ダリアは、ため息をつきました。

彼女の友人のリリーは、ダリアの健康を心配して、ちょっとした旅行に誘ったのでした。

リリーは、ダリアより三才年上でした。

リリーは美しく、強く、ダリアを、まるで彼女の妹のように想っていたのでした。

リリーは、星について詳しく、たくさんのことをしっていました。

リリーは言いました。"ダリア、星を見ようよ、そのために連れてきたんだから。"

リリーが完全に窓を開けると、幾万もの星々がダリアの目に飛び込んできました。







2 天の川



"なんて美しいんだろう。"

ダリアはびっくりしていいました。

"どう?"

リリーは尋ねました。

"すごくきれい。"

ダリアはいいました。

"お気に入りの場所なの。毎夏来るんだけど。 日頃、忘れたかけていた大事なことを思い出すのに、いいのよ。" リリーはそういって、微笑みました。

ダリアが今まで見たことのない、偉大さを、天の川は空に示していました。

ダリアが少し落ち着いたのを見て、リリーは言いました。

"アジアには、天の川について、かわいいお話があるのよ。

天の川で別れ離れになっているカップルは、一年に一度だけ会えるんだって。

そのカップルは、ずっと、川の傍で待っているの。

この星々がそのカップル、そして、これが、天の川ね。"

リリーはベガとアルタルを指し示し、それから、天の川をなぞりました。

ダリアは静かに夜空を眺めました。

リリーは続けました。

"世界中で、同じようなことは起きているわ。

それは、シリアかもしれない。

そうでなければ、いろいろな理由で離ればなれになった カップルでしょう。 "

"じゃあ、私は、そんな人たちの仲間ね。"

ダリアは悲しそうに言いました。

リリーはいました。

"歴史的には、人間はそういうのを繰り返してきて、将来も起きるかもしれない。

でもね、それでも、人間には、希望があると信じているの。

そして、あなたが信じる限り、愛は時間も距離も凌駕して、いつか、あなたのところに届くはずなの。"

ダリアにとっては、途方もない考えだった。


"そんな愛があるの?" 息を詰まらせ、びっくりして、ダリアは尋ねた。

"私は、そうあるべきだと、あなたのために信じているの。"

リリーは、決意したような感じでいった。 ダリアの目を見て、手を握りながら。



"ありがとう、ありがとう、私、強くなるから。" ダリアは言った。


リリーは微笑み、二人は空を一緒にしばらくの間眺めていた。

突然、光が空を横切った。

"流れ星だ!"
ダリアは叫んだ。



"お祈りしようよ。リリーは言った。

ダリアは目を閉じた。

"祈ろう、ダリアが、恋人にもう一度会えるように。"

リリーは、優しい声で言った。






3 憂鬱



"はぁ"
アリッサムもまた、ベッドでため息をついたのだった。

アリッサムは、情熱的で優しい少年だった。

ダリアは、アリッサムにとっての初恋で、ダリアにあうことは 素晴らしい喜びであった。

彼女のことを思って眠れない日々は多くあった。 最も美しい薔薇を探して、彼女のために、捧げたので、ショックは計り知れないものであった。


アリッサムは、ダリアを探し求めたが、見つけることはできず、 ついには、あの、薔薇園に行くことさえ、禁止されてしまった。

アリッサムはとうとう、病気になってしまい、遠く離れた田舎に いくことになってしまったのであった。

そして、クロッカスが部屋に入ってきた。

クロッカスは、彼の幼馴染で、毎日、アリッサムが元気になるようにやってきていた。

アリッサムは、落ち込んでいたが、それでもみんなに優しく、みんなから好かれていた。

クロッカスは、その中の一人であったが、実は、彼を愛していて、また会えるのを喜んでいた。

クロッカスは、アリッサムがいつも、ここにいてくれたらと思うのであった。

彼女は、アリッサムが元気になるように、黄色の花をテーブルに置いた。






4 忘れられない愛


ダリアは元気を出して、薔薇園に戻ることにしたのでした。

簡単なことではないとわかってはいたけど、元の姿に薔薇園を戻すこと、それしか考えられなかったのです。

ベンチのペンキは剥げ、雑草はあちこちに生えていたが、驚くことに、彼女が植えた薔薇は、枯れていませんでした。

ダリアは、大事そうにその薔薇にキスをして、一つ一つ、壊れたレンガを拾い集め、毎日、 薔薇園を綺麗にしていきました。


"あの少女をごらんよ。"


老女が言った。

"また、薔薇園をきれいにしようというのだね。"

最初は、人々は、ダリアは残念な子だと思った。

あえない人を待ち続けているのだから。

しかし、少しずつ、人々の心は動かされ、薔薇園に戻り、ダリアと同じことをし始めたのだった。
それぞれが、忘れられない愛を持っていた。






5 飛び出した薔薇




街が分断されてから、2年の歳月が流れた。


ゲートはまだ、存在し、紛争は続いていた。

ダリアはずっと独身だった。

ダリアの母、マーガレットは、アリッサムを忘れて、誰か別の人を探すように助言したが それは、難しい話だった。

ダリアはアリッサムを待っていたわけでも、ほかの男の子たちに不人気であったわけでもない。 でも、ふさわしいひとをみつけることができないでいた。

誰もがダリアを応援していたので、いまや、薔薇園を修復するので頭がいっぱいであった。



花々の美しさは人々の悲しみを和らげた。

薔薇園の修復を続けるにあたり、たくさんの友達もできたのであった。

そして、彼らが気にかけていない間に、ダリアが植えた薔薇は、桃色の葉地区に飛び出てしまったのであった。

まるでそれは、アリッサムへの変わらない愛を示しているようであった。

紛争下での出来事であったので、ダリアのお友達はみんは心配したが、驚くことに、 何も悪いことは起きずにいた。

誰が敵方に、薔薇を咲かせるだろうか?

桃色の葉地区の人々は、どれだけ、その薔薇を咲かせた人間が、恋人に会いたいと思っているか、完璧に理解していたのであった。

"分割の象徴であったゲートが今や、愛の象徴である、薔薇で覆われている。"

この光景は国中に伝わった。

人々は話し合った。

「いったい、誰が?」、「誰がこんなことを?」、「誰を探しているのか?」 」、など。

人々はこの情熱的な、普遍的な愛の行動に対して、称賛せざるを得なかったのである。






6 再開




"アリッサム、本当に面白いお話があるの。"

クロッカスは写真を見せながら言った。

アリッサムはまだ、ベッドにいて、窓を眺めていた。

それは、街で騒がれていた、薔薇の写真であった。

それを見て、アリッサムは眉をひそめ、そして、声を失った。


"ダリア.."


"間違いない、それは、僕が、ダリアに送った、特別な薔薇だ!

"ダリア、まだ、あの公園に来ているのか?会いたい・・・。 "

アリッサムは、ささやいた。

アリッサム、ダリアの事を忘れたことはなかった。

しかしながら、アリッサムは、愛を、もはや、信じることはできずにいた。

現実的には、街の真ん中にはゲートがあった。

辞書にあるような、どのような美しい言葉も、全てただのウソに見えた。

しかし、彼の現実というものは、簡単に崩れ去ってしまった。

自ら抑えていた感情が蘇ってきた。

クロッカスは、アリッサムの顔を見て、わかってしまった。

"アリッサム、誰が、植えたのか知ってて、そして、忘れられない愛があるんでしょう?"

アリッサムは、答えることができなかった。

アリッサムにとって、愛というものは不確かなものでしかなかった。 だが、クロッカスはアリッサムを追いやった。


"バイバイ。もう、ここには来れない。

明らかに、この薔薇を植えた人はあなたをずっと愛している。

お願いだから、元気になってね。"

クロッカスは悲しそうな顔をしたが、決心した様子で、部屋を出た。

クロッカスは、愛が深ければ深いほど、鬱病的な悲しみはひどくなることを、彼への思いを通してわかっていた。

クロッカスは2年の間、その思いに苦しんでいたのだ。

恐らく、愛を信じるかどうかなどは関係ないのだ。


どれだけ、この世界が、我々にとって残酷であったとしても、愛は、確かに存在するのだ。

アリッサムは、ゲートへ急いだ。 咳を切らせながら。

ベッドに打つ臥してから、外に出ることなどなかったのだ。

ずっと部屋にいる間、アリッサムの体は本当に弱くなっていた。

アリッサムがゲートにたどり着いたとき、それは、人々が、ゲートを開けようと押し寄せているところであった。

小さな窓から、忘れることのできない顔が見えた。

瞳と、唇、そして、かわいらしい顔。

"ダリア!"

,アリッサムは叫んだ。


"アリッサム!"

ダリアは、驚愕し、叫んだ。


"ダリア!! 会いたかった!"

アリッサムは壁を登ろうとした。

ダリアが手を伸ばそうとしたとき、それを邪魔しようとした反対派の人間がいた。

誰かが、叫びつけた。

それは、ダリアの母、マーガレットであった。

"愛し合っているカップルを別れさせる権利が、我々にあるのですか?!

ものすごく、憤慨した様子で。

その人間は、何か言い返そうとしたが、出来ずにいた。

それこそ、愛し合っている人々が、両側からいっきに押し寄せ、ゲートを開けようとしたのであった。


そして、ついに、ゲートは開かれた。


その光景を見て、ダリアとアリッサムは泣き崩れた。

離れ離れになったカップルは、ダリアとアリッサムだけではなかった。 それぞれが、涙ながらにお互いの体を抱きしめたのであった。






7 紛争の終わり



結末としては、女王と王は、お互いに顔を突き合わせざるを得なかった。

まさしく、開かれたゲートの前で女王と王は、会話を始めたのだ。

紛争は終わりを告げた。

人々は、予期せぬ終結に対して様々なコメントを載せた。どのようにして、このような結末に至ったのかと。 単刀直入にいうと、つまるところ、紛争は人間の愛の前に負けたとのだ。






8 エピローグ





太陽は遠くに沈み、アリッサムは、まるで親友を見送るように、その光景を見ていた。

アリッサムは、バッグを手に取り、部屋を後にした。

さよならを告げて。



もう、ここに戻ってくることはないのだから。

アリッサムは、薔薇園へ続く道をたどっていった。

ダリアは、そのとき、水やりをしていた。

これがダリアの日課だったのだ。

ダリアは、薔薇園の近くの、フラワーショップのオーナーになっていた。

ダリアは、花の持つ偉大な力に驚愕し、フラワーアレンジメントコースをマスターしたのち、 最近になって、お花屋を経営するに至ったのであった。

リリーは、ベンチを掃除し、キャンドルに明かりを灯していた。

ダリア、リリー、アリッサムの三人にとって、今日は、大事な日だった。

準備が終わると、リリーはダリアに来るように言った。

"はい、リリー"

ダリアは嬉しそうな声で答えた。

"二人にね、プレゼントがあるの。"

リリーは、小さな箱をダリアに渡した。

ダリアは、いつもの雰囲気とは違っていたので、尋ねた。

"ありがとう、でも、何かしら?"、そういって、箱を開けた。

驚くことに、美しいペアのダイアモンドリングが入っていたのだった。

"すごいきれい… こんなのもらえないわ、" ,困惑して、ダリアは言った。

そんな高価なものを、リリーからもらったことはなかった。

"いったいどうして?" ダリアは尋ねた。

"じゃあ聞いて。このペアリングは、私の祖母と祖父が、この薔薇園で結婚式を挙げるときに、着けていたものなの。

そして、今度は、あなたたちが幸せになる番だわ。"

そのペアリングには、"ロザ アンド ミサ" と彫られていた。

それはまさしく、この薔薇園の名前であった。

ダリアは驚愕した。

"私の祖母と祖父が、この薔薇園を建てたのよ。"

リリーは付け加えた。

"どうしてもっと前に言ってくれなかったの?ものすごいことだわ。 "

ダリアはもっとびっくりしていた。

"隠すつもりはなかったのよ。"

"でもね、あなたは、薔薇園を助け、普遍の愛というものを私たちに見せてくれた。

うちの祖母と祖父もきっと喜んでいるわ。

それにね、あなたは私の妹でしょう?

当然、お祝いするわ。"

リリーは言った。

ダリアは泣き出しそうになった。

リリーは、アリッサムが薔薇園の入り口に、スーツに着替えて立っているのを見て

"ダリア、愛を失わないで。"、 といい、微笑んだ。

ダリアは、リリーを抱きしめて、涙を拭きながらいった.

"愛している、リリー。"

"私もよ、ダリア。"

ダリアとアリッサムの関係は劇的に復活していた。

そして、今夜、二人はもう一度、告白をし直す予定であった。

リリーは、遠くから、新しいカップルを、満足した様子で眺め、そして、その場を後にした。




間もなく、ダリアとアリッサムの、涙声の愛の告白とすすり泣き声が聞こえた。



リリーは、こうなることはとっくにわかっていた。

リリーは、微笑んだ。

おしまい

Written by RanseRanse for Love Children Animals Over Borders

We have two poems.

Gate
The love of Alyssum toward Daria.(英語)

Stars are telling you
The kindness of Lily toward Daria(英語)

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